KumaLab

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終物語 (上)を読んで、未来の自分へ目を向けようと思った

こんにちは、KumaLabです。
 
言わずと知れた西尾維新物語シリーズ
終物語 (上) (講談社BOX)を読み終えて、読んだ小説をブログの記事にすることは基本的にはないのですが、読み終えてなんだかやられた感があり、悔しくてまとめようとしたわけです。

 

終物語 (上) (講談社BOX)

終物語 (上) (講談社BOX)

 

 

最近、読んでいる本という本がどうもピンと来なくて、ただ惰性で読んだ量が増える一方だったわけですが、まさか小説でこうも考えさせられるとは思いませんでした。
 
阿良々木暦の語りで始まる今回の物語。ちょっと読んでいて、暗くなってしまう部分もあったわけですが、そもそも今回初めて登場した、「老倉育」という人物。阿良々木暦を憎む同学年の女子。
 
個人的な感想として、この2人の過去の関係性とそれを取り囲む「人間(おとな)」の醜さにグサッとくるものがあったわけです。もちろん、フィクション。されど、フィクション。
 
これ以上、あらすじを書くとネタバレでよくないので、ハイライトした部分を少し引用。
 
正しさに重きを置き過ぎる教育を徹底すれば、確かに悪さはしなくなるかもしれないけれど、しかし失敗を許せない子供が出来上がってしまう。失敗をしたとき、自分を必要以上に責め、そのまま立ち直れなくなりかねない──そんな子供が仕上がってしまう。
 
これは現実ある。人間失敗はするもの。完璧な人なんていない。その失敗を周りが許しても、自分が一番許してあげられないことはある。甘えるのはよくない。けれど、親子であっても1人の人間と人間の関係性。アメとムチの境目なんて、全く同じ人間なんているわけないんだし、それを、そもそも科学で証明できるようなものでもないんだと思う。けれど、結局、愛情をどう子供に「施した」かを親が判断するんではなくて、子供がその愛情を「どうとらえたか」が肝心なんだと思う。
 
羽川は言う。僕の表情を見て取って。 「過去の自分を悪者にすることで、今の自分を守ってるだけじゃ、結局いつまでも同じことを繰り返す──想像してみて? いつまでも未来の自分に責められ続ける人生を。そんなの楽しい?」
 
さすが、羽川翼。「楽しくないに決まってる!」。未来の自分が今の自分を見てどう思うのか?。そのような視点を持ちたいと思った。未来の自分に後悔をさせたくないし、今の自分を責めさせたくもない。だからこそ、選べる選択があり、行動できることがあるのだと改めて感じるわけです。
 
物語を通しての感想というわけではないですが、物語の端々で印象付けられる言葉が散りばめられている。やはり、物語シリーズはおもしろい。
 
さぁ、次を読もう。
 
終物語 (中) <物語> (講談社BOX)
 
終物語 (下) <物語> (講談社BOX)