KumaLab

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なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのかを読んだ

こんにちは、KumaLabです。
 
先日、なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのかを読了したので、その感想を書いてみたいと思います。
 
なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか

なぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのか

 

 

まず、今後10年〜20年で、米国の場合、労働人口の約47%は自動化される可能性が高いと言われています。情報化社会が進む中で、人類最後の発明とも言われるAIの発達により、日本においても今後どのようになるかわかりません。
 
どういう世界が待っているにせよ、少なからず考えられることは、現在の教育方法と知識教育を最大限追い求める努力だけでは到底、社会そして世界で活躍しようと思えば、難しくなってくる現実は訪れるということです。
 
確かに、教育格差が広がる一方で大学進学率は7割を越えるなど、大学まで行って勉強し卒業するということがほぼ当たり前の社会になってきている。
 
そういった中で、知識だけではなく自ら学ぶ「自学力」と「好奇心」が大切であると思われます。そういった中で、手に取ったなぜ「教えない授業」が学力を伸ばすのかという書籍。
 
著者である山本崇雄氏は自ら生徒たちが学べるようなアクティブラーニングの実践者です。授業形態も「信じて、任せる」をキーワードに取り組まれている心構えや実践内容が書かれています。
 
大切なのは、学習者(答申では学修者と表記)が能動的であるかどうかです。また、「認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成」がねらいでなければ、アクティブ・ラーニングの活動とはいえません。
 
ただ、闇雲に学生たちに「やらせる」勉強ではなく、教師はきちんと監督をしますが、教師の役目と思われる「何をどの程度教えるか」に焦点を当てるのではなく、「何をどのような手段で学ばせるのか」を意識した授業の必要性をおっしゃっています。
 
大切なのは、生徒が安心して挑戦できるようにするために、挑戦から生まれた失敗を悪ととらえない環境をつくることです。失敗してもそれを乗り越える力がつくように、先生や大人が手助けしていけばいいのです。学校だけでなく、家庭や社会も、子どもたちが安心して失敗できる居心地のいい場所にしていくことが、僕ら大人の役目なのではないでしょうか。
 
確かに、今の学校でもテストの成績や授業での姿勢など、実際に学びにおいて、生徒が挑戦をして失敗を悪ととらえることはない安心できる環境を提供できているのかと聞かれると疑問があります。
 
実際に、山本氏は教えない授業を通して、学年の目標に「共に」という言葉を入れられたり、全員で写真を撮ることや、Seize the dayというノートを実践したりなど、様々な工夫をこらしながら授業を展開されています。
 
学生たちの自立を妨げる要因として、知識を教えたい教師と怒られるから行動を変えてしまうような失敗を恐れる環境にあることを再度考えさせられる1冊でした。